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いまのはなし4

 いつの間にかアメリカから東京に帰ってきていた。もちろん比喩的な意味での「いつのまにか」ではあるけれど、自分が実際にアメリカにいたという事実は思い出してみると以外にもウソっぽいのである。それはたぶんアメリカという場所が思ったよりも普通で、ハッカソンやらその他のイベントを除いてはさして日本と違う国ではなかったからなのかもしれない。いや、もちろん住んでいる人が日本語を話さないという意味では明らかに違ってはいたが。それでも最終的に落ち着くところは、その程度の違いでしかなかったという事実であった。スターウォーズの世界にはコルサントという星全体がひとつのアーバンな感じの陸地になっていて、作中では緑も水もない無機質なハブ惑星という感じに描かれている場所が登場するわけだが、つまりあの惑星では我々の住むこの地球のような地上を区切った国々というものが存在しないのではないかと思っていた。「思っていた」というのはもしかすると、じつはコルサントにも複数の国家が区域を持って共存しているのではないかという疑念をいままさに書きながら捨てきれないからである。スターウォーズのファンの中にはそんな情報どこにあるんだよと言わんばかりのコアinコアな深い情報を持っている人びとがたくさにいるというのは無論周知の事実であるわけだが、そんな彼らに聞けばきっとコトの真相がわかるであろう。それまでこの問題は「かもしれない」問題としてあくまでぼんやりと当り障りのないかたちでここに置いておくことにしようではないか。

 しかし作品としてのスターウォーズの優れたる点とは、こうした作中でさして大きな役割を与えられていない人・モノ・コトにも大いに考察をさせうる点が多く残されているというところである。少し前であるが、スターウォーズ・ファクトファイルという週刊誌(この呼び方があっているのかどうかは個人的には少し疑念が残る)が発売されていたのをスターウォーズ・ファンの我々はしっかりと覚えている。その当時僕は小学x生で、なぜいつ好きになったのかは全く定かではないが、スターウォーズにドハマりしていたのである。僕のよく一緒につるんでた同級生たちも、ほかのやつらと比べると比較的スターウォーズへの理解と造詣があり、僕は彼らと頻繁にスターウォーズのはなしをしていた。その当時は厳密にスターウォーズ自体の世界観やストーリーの流れをおそらく理解はしていなかった。ただ、XウィングやAウィングのようなビークルがカッコイイ、それだけが僕の心を掴んでいたわけである。しかしいま20代になったいま改めてスターウォーズという世界に足を踏み入れてみると、その精巧に作られた世界観に溜息がでるほどなのである。もちろんビークルはいまでも最高にカッコイイが、それ以上にスターウォーズの世界に生きる人々のクセや非現実感に取り込まれるといってもよい。ジャンルとしてスターウォーズはSFのまさにマスターピースであるが、ブラスターの音から、兵器の汚れまでなにからなにまでが突飛でいきすぎたSFのそれではない。

 SFでありながらSFっぽくない。それがスターウォーズの良さだと思う。